珈琲生豆は、赤道を挟んだ南北25度線のコーヒーベルトからの贈り物。
「有機コーヒー」は、選ばれた農園からの贈り物。
私たちは、消費国として、現地生産現場の栽培・収穫から、精選、選別、輸送を経て、手元のカップがあることを忘れてはなりません。
生産農家から日本に輸入されるコーヒー総量は、年間42万トン。
EU各国を除いて、我が国は世界3位の消費国となっています。
サスティナブルコーヒー
珈琲は、生産国の多くの国民が、コーヒー栽培抜きでは考えられない環境の中での生活があり、また珈琲産業の発展は、彼らの労働力と英知により支えられて来ました。
サスティナブルコーヒーとは、生産者の生活水準を向上持続させ、同時に栽培環境そのものが、地球の自然環境を保全しながら将来にわたり持続的に受け継がれ、生産者と我が国のような消費国が共に反映していける、そのようなコーヒーを意味します。
「有機JAS認証コーヒー」は、日本のサスティナブルコーヒーに取り組む認証コーヒーとも言えるものです。 日本では主に、原材料である珈琲生豆を輸入し、加工(焙煎)して、皆様にお届けするものがなじみのあるチョコレート色の珈琲豆ですが、「有機」であることの認証は、特別な意味合いがあります。
流通するコーヒーの多くは、「有機」ではありません。 有機でないものの中には、スペシャルティと呼ばれる上質な素晴らしい風味のカップを提供する珈琲豆も、選ばれたコーヒーと言えます。
ご存知でしたか? 有機認証焙煎であることを。
有機加工食品認定業者(焙煎業者)と、認定を受けていない焙煎業者とはどこが違うのでしょうか?
JAS有機の認定を得るには、原材料が有機豆であることが審査され、国内に入港される際の燻蒸作業が無いことが証明(非燻蒸証明書)され焙煎されます。 有機でない非有機豆とは完全に分けなくてはいけません。
また、「焙煎」という加工は勿論のこと、そのあとの保存・包装に至る工程まで、一連の有機認定の技術基準に適合した加工工程が必定なのです。有機の原材料を、認定を受けていない焙煎設備で焙煎することは、その時点で「有機コーヒー」でなくなってしまうのです。
「有機認証焙煎」とは、これを意味します。
アンカーとしての焙煎加工。 これは有機製品を製造する上で、最後のお客様へ提供する有機珈琲豆の格付をする重要な任務となります。
どこまでもピュアな有機製品を作るために、現地栽培農家のスタッフにまでトレスされ、このことが「有機性の保持」になります。
自家焙煎珈琲豆の店「彩香房」は、有機コーヒーのアンカー店として、平成23年10月に「有機JAS認定」を取得し、正式な有機コーヒーをお届けしております。
こだわりの焙煎機器
「当店の焙煎機は、「英国デートリッヒIR-3」 とニューフェースの「1ポンド アポロ焙煎機」を導入(平成27年11月導入)しています。
いずれも熱効率は高く、排気効率もよくクリーンな繊細な焙煎コントロールが可能です。
用途分けは、焙煎容量によるところが大きいですが、デートリッヒの方は、有機認証豆とスペシャルティーグレードの兼用です。
言うまでもないことですが、有機焙煎を行う場合は厳重な切り替えマニュアルにより、機内をクリーンアップすることが必定となり、切り替え時の有機焙煎は、最初の1パッチ目は、認証有機豆を通常通り焙煎します。
しかしこの焙煎豆は、非有機扱いで有機豆としてはお売りしません。
2パッチ目、あるいは3パッチ目から正式なJAS有機認証豆として、有機専用室に保管されるのです。
導入のNEWアポロは、有機専用ロースターとして、有機専用室に設置されています。
最大500gと焙煎容量はコンパクトですが、大型機に引けを取らない強固な作りで、有機専用に相応しい、ピュアで繊細な焙煎表現が期待できるものです。
通常、不要な在庫を残さず、新鮮なお豆のご提供ができるよう少量焙煎を心がけていますが、当店ならではの有機焙煎専用機としてコンパクトでありながらも、最強なパワーを発揮してくれる思います。